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【スキル相伝】低温磁化測定  C01鬼丸グループ(広島大学) →C02芳賀グループ(原子力研究開発機構)

終了
2024/ 11/ 1118

 スキル相伝プログラムによるご支援のもと、2024年11月11日〜18日に、ホルミウム(Ho)系化合物の極低温磁化測定を広島大学の磁性物理学研究室 (C01鬼丸グループ) にて行いました。我々が研究を進めているHo系化合物において、ゼロ磁場で新たに0.6 K付近で相転移が起こることが比熱・電気抵抗から分かったため、転移付近での磁気特性を調べることを目的として、3He冷凍機を用いたキャパシタンス式ファラデー法による精密磁化測定を行いました。実験では、志村恭通 准教授 (公募班D01) からご指導いただきました。

私自身は、学部4年のときに当研究室に所属しておりましたが、当研究室でファラデー法による磁化測定の経験は無かったため、見慣れた実験室に居ながら新鮮な実験ができました。実験手順や冷凍機の扱い方を習得することは想定内でしたが、2日目に磁場勾配マグネットの電源装置が故障して、急きょ新品の電源装置の立ち上げ作業に携わるという想定外の経験もあり、激動の1週間となりました。実験は無事に成功し、当初予定していた磁化の温度変化と磁場変化をすべて測定することができました。

志村先生、鬼丸先生をはじめ、お忙しいところ温かく受け入れてくださった磁性物理学研究室の皆様に深く感謝を申し上げます。今後は、極低温磁化を含む物性測定の結果をもとに、Hoサイトの4f電子の基底状態に関して考察を深めていこうと思います。

日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター 強相関アクチノイド科学研究グループ(C02芳賀グループ)  北澤 崇文 (博士研究員)

※「スキル相伝プログラム」とは?
本領域(アシンメトリ量子)では、国内の他研究機関に短期滞在して、精密測定技術や数値計算技法、 物質合成等の現場の技術を学んで共同研究を促進する国内留学活動、また海外の研究室に 1∼2ヶ月ほど滞在して共同研究や自身の研究の基盤作りを行う海外派遣を支援します。