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【スキル相伝】光電子分光測定 A01関山グループ(大阪大学) → C02石渡グループ(大阪大学)   (2024年11月6-8日)

終了
2024/ 11/ 0608

立命館大学SRセンターにて3日間、私が高圧合成法によって発見した新規白金系酸化物の複雑な価数状態を実験的に解明することを目的として、関山研究室(A01班)の藤原先生をはじめ、今田先生、入澤先生(立命館大学)のご協力のもと、軟X線・硬X線光電子分光の実験を行いました。

測定対象となる物質の性質やサンプルクオリティの点から、はじめは有益なデータが得られるか不安もありました。しかし、藤原先生のご提案やご指導のおかげで、新物質の詳細な電子状態を解明する上で重要な手がかりを得ることができました。この過程を通じて、自身が発見した新物質の誰も分かっていない電子状態の正体を自ら追求する面白さを実感することができました。さらに、スパッタリングや劈開など、質の高いデータを得るための表面処理の技術的工夫に驚かされる場面もありました。この貴重な経験は、今後の物質開発において、よりクオリティの高いサンプルを作るための大きなモチベーションになると感じています。

今回のスキル相伝プログラムは、領域全体会議の期間中に、藤原先生に「光電子分光でこれが可能かどうか」を尋ねてみたことがきっかけで実現しました。光電子分光に馴染みのない学生である私に対しても、やる気さえあれば丁寧にサポートしていただけること、さらにそれを全面的にバックアップしていただける本領域の恵まれた環境のありがたさを、この3日間で実感しました。最後に、今回の実験に関わっていただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。

 大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻(C02石渡グループ) 小林 康仁(D1)

※「スキル相伝プログラム」とは?
本領域(アシンメトリ量子)では、国内の他研究機関に短期滞在して、精密測定技術や数値計算技法、 物質合成等の現場の技術を学んで共同研究を促進する国内留学活動、また海外の研究室に 1∼2ヶ月ほど滞在して共同研究や自身の研究の基盤作りを行う海外派遣を支援します。