トピカルミーティング 「アシンメトリ量子物質における交差相関の開拓」 @ 神戸大学
開催主旨
多極子の完全基底が構築され、物質の非対称性(アシンメトリ)は多極子によって記述することが可能となった。これにより、電流誘起磁化や電流誘起歪み等の奇パリティ多極子に基づく非従来型の交差相関現象等も含め、アシンメトリ量子物質における交差相関現象が見通しよく予想できるようになった。本トピカルミーティングでは、新しいアシンメトリ量子物質の提案、様々な多極子自由度と交差相関応答の関係、交差相関物性の研究に欠かすことのできない微細加工技術や精密物性計測技術について、実験・理論両面から最新の研究成果を報告する。アシンメトリと機能物性が強く紐付けられた物質系の開発を目指して議論を行い、物質合成、理論、物性計測それぞれの分野から共同研究の提案や今後の展開について検討する。
日時
2024年12月6日(金)ー7日(土)
*対面のみ。ハイブリッドでは実施いたしません。
会場
神戸大学 理学研究科 Z棟201/202 下記リンク(キャンパスマップ 82番の建物)
講演者
青山拓也(広島大学)
池田敦俊(京都大学)
小野瀬佳文(東北大学)
木俣基(東北大学)
木村剛(東京大学)
小手川恒(神戸大学)
是常隆(東北大学)
高橋英史(大阪大学)
速水賢(北海道大学)
松平和之(九州工業大学)
水上雄太(東北大学)
渡邉光(東京大学)
プログラム
ポスタープログラム
参加登録
申し込みフォーム
https://forms.gle/7KWKKpoCGro3SAFq6
申し込み〆切:
・ポスター講演を希望の方 –> 11月22日(金)
・発表なし、参加のみの方 –> 11月29日(金)
* 今回の口頭講演は、依頼された方のみです。
【情報交換会】(12/6(金) 夕方、参加費 4,000円程度。先着45名まで。)
*11/14 情報交換会への参加を締め切りました。
* 申し込み後に自動メールが届きます。
* 期限内であれば、申込内容を変更できます(自動メールの「回答を編集」から)。
* ここで記入いただいた情報は、本領域の運営以外の目的には使用しません。
開催概略
2024年12月6日〜7日に神戸大学理学部において、C02トピカルミーティング 「アシンメトリ量子物質における交差相関の開拓」を開催しました。領域内外から77名の参加があり、12件の口頭講演と38件のポスター講演(うち学生ポスター28件)がありました。
今回のトピカルミーティングは、アシンメトリ量子物質における交差相関をテーマとし、理論・物質開拓・先端計測の研究者が集まって、最近の成果やアイデアを共有することで、物質開発や共同研究を促すことを目的として企画されました。会議では、領域内外の方々から、altermagnetの最近の展開、FIBやベクトル圧力、熱流等を用いた精密計測による交差相関研究の展開、カイラルやフェロアキシャル系の物質開発と交差相関、フレキソエレクトリック効果や異常ホール効果の最近の展開など交差相関に関わる様々な最先端の研究が紹介されました。一つの試みとして口頭講演者の方々にはアシンメトリ量子への要望や共同研究の提案なども含めていただくようお願いしており、多くのご提案をいただきました。大変参考になるものばかりで、今後の新しい研究や共同研究への発展が期待されます。
初日の夕方には、ポスターセッションが行われました。学生による講演が数多くあり、非常に活発な議論が行われました。学生による主体的な取り組みが認められ、その重要性や今後の発展性が認められた講演に対して、5件の優秀ポスター発表賞が授与されました。ポスター発表に引き続き開催された情報交換会でも、和気藹々とした雰囲気の中、アシンメトリ量子物質の研究について様々な意見が交換され、大いに盛り上がりました。
プログラム構成として、ポスター発表や休憩時間を通常よりも長めにとったことで、多くの交流が生まれ、議論も非常に活発に行われました。新しく、そして大きな交差相関を示す物質を開拓することはアシンメトリ量子のゴールの一つです。本トピカルで得た知見を活かし、領域の研究を更に推進してまいります。
学生優秀ポスター賞
青柳俊吾さん(東京大学)「PbMn2Ni6Te3O18における多極子の結合を用いたフェロアキシャルドメインイメージング」
濱邊一希さん(東北大学)「交替磁性体MnTeにおける異方的磁気抵抗による反強磁性ドメイン反転の観測」
松田愛理さん (岡山大学)「URu2Si2における奇パリティ多極子揺らぎの理論」
松田仁さん(東京大学)「First-principles study of spin-orbit coupling-free responses in exotic collinear antiferromagnet」
渡邊一誠さん(東京都立大)「カイラル構造を持つEuIr₂P₂の単結晶育成の最適化と磁性及び特異な輸送特性」
ポスター賞授賞式の様子。おめでとうございます。