「こんなアウトリーチやりました」 C01 大原繁男氏
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題目:日本語からはじめよう
日時:2024年12月9日(月)
2・3限( 9:55~12:15)3、5組
4・5限(12:55~15:15)1、2、4組
場所:愛知県立一宮高等学校 桃陵館
対象:2年生(1〜5組,207名)
論理文の書き方講座「日本語からはじめよう」を愛知県立一宮高等学校でSSH講義として実施しました.日本語を正しく,わかりやすく書くことで,論理的思考能力が向上すること,実験や研究における課題が見えることを話します.毎年,講義をさせていただいていますが,今年は後半を演習にしました.
前半は,なぜ書くという行為が必要か,から始めます.アシンメトリ量子の「申請書の束」も見せています.つづいて,論理文の持つ構造,パラグラフ・ライティング,日本語の曖昧さについて解説し,ワークシートを埋めていくことで,わかりやすい文章となっているかのチェックリストを完成させます.大事なのは,不足を補い,過剰や重複を削除し,簡潔に文を書くこと,と指導しています.
後半は,一宮高校の生徒が書いた研究要旨をよりわかりやすく改訂する演習を行いました.慣れてくると,検討している文中に不足や過剰,重複が見えるようになっていきます.実際に文章を改訂する体験を通して,わかりやすい文章の書き方が伝わったかと思います.
午前の講演後に一人の男子生徒が「すばらしい授業でした.とてもためになりました.」と言ってくれました.これ以上の喜びはありません.先日刊行された固体物理の記事の別刷りを希望者に配ったのですが「対称性に興味があります.これを読むと先生がどうやってカイラル物質を見つけたかわかりますか?」と尋ねてきた女子生徒もありました.もっとアウトリーチ活動をしなくては!と思った次第です.
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