第13回 アシンメトリ量子セミナー 速水賢氏 @阪大基礎工
終了
2025/ 07/ 28
日時: 2025年7月28日(月)13:30~
場所: 阪大基礎工 講義室 (+Zoom配信:固体物理セミナーと共催)
講師: 速水 賢 教授(北海道大学大学院理学研究院)
講演題目: 多極子からみた交替磁性体およびその拡張

概要
多極子の概念は、強相関電子系における電子の電荷・スピン・軌道の自由度の系統的な記述を可能にする。多極子は、空間反転対称操作および時間反転対称性操作の偶奇性に基づいて、電気多極子(時間反転偶の極性テンソル)、磁気多極子(時間反転奇の軸性テンソル)、磁気トロイダル多極子(時間反転奇の極性テンソル)、電気トロイダル多極子(時間反転偶の軸性テンソル)の 4 種類に分類される。これらの多極子は互いに独立しており、系の状態空間において完全基底を構成することから、固体中のあらゆる内部電子自由度を表現できるため、物質が示す新たな機能を探索する際の有用な指針を与える。本発表では、多極子表現論を交替磁性体へ適用した事例を紹介する。特に交替磁性体の特徴である(i)一様磁化を必要としない異常ホール効果、(ii)波数空間における対称なスピン分裂バンド、を誘起するために重要な多極子自由度について議論する。さらに、多極子表現論を適用することで、従来の交替磁性体の概念を超えた新奇な現象(例えば、非共線反強磁性体における反対称なスピン分裂バンドや非共面反強磁性体における非相反伝導現象)を見出した研究例を紹介する。
問合先:井澤公一