トピカルミーティング 「擬カゴメ構造を有する物質のアシンメトリ量子物性」@富山
開催主旨
特徴的な結晶構造に着目した実験と理論による系統的な研究によって、新たな機能物性の予言と開発につながることが期待される。本トピカルミーティングでは、六方晶ZrNiAl型の擬カゴメ構造を有する金属間化合物に着目する。この系には多くの化合物が属し、反強磁性体HoAgGeにおけるゼロ磁場ホール効果や非相反伝導、価数揺動系CeRhSnが示す量子臨界現象、URhSnにおける非磁性の相転移など、多彩な電子相関物性を示すことが知られている。今回、理論と実験の研究者が一同に集い、擬カゴメ構造を有する化合物の物性について系統的な理解を深め、そのポテンシャルを新たな機能物性の開拓にどのように活かすことができるのか、今後の研究の方向性についても議論を深める。
日時
2024年8月29日(木) 13:00 ー30日(金) 16:00(予定)
会場
富山県富山市 ボルファートとやま
富山駅北口徒歩5分
講演者
井澤 公⼀ (大阪大学)
服部 ⼀匡 (東京都立大学)
速⽔ 賢 (北海道大学)
鬼丸 孝博 (広島大学)
吉田 紘行 (北海道大学)
室 裕司 (富山県立大学)
谷田 博司 (富山県立大学)
常盤 欣文 (日本原子力研究開発機構)
橘⾼ 俊⼀郎(中央大学)
大原 繁男 (名古屋工業学)
桐越 研光 (岡山大学)
プログラム
参加登録
申し込みフォーム
https://forms.gle/znyHQFGAqJt5QU438
申し込み〆切
・ポスター講演を希望の方 –> 8月19日(月)
・ポスターサイズは 幅 90cm x 高さ 210cm。
・固定用の画鋲等はこちらで用意します。
・発表なし、参加のみの方 –> 8月26日(月)
* 今回の口頭講演は、依頼された方のみです。
【情報交換会】(8/29(木) 夕方、参加費 4,000円程度。先着30名まで。)
* 申し込み後に自動メールが届きます。
* 期限内であれば、申込内容を変更できます(自動メールの「回答を編集」から)。
* ここで記入いただいた情報は、本領域の運営以外の目的には使用しません。 (編集済み)
開催概略
2024年8月29日〜30日に富山市「ボルファートとやま」において、「擬カゴメ構造を有する物質のアシンメトリ量子物性」をテーマとしたトピカルミーティングが開催されました。参加者は23名(内、領域メンバー13名、領域外7名、学生4名)で、15件の口頭発表と4件のポスター発表がありました。台風10号が迫っている中での強行開催となりましたが、特に遅延はなく、プログラム通り開催できました。
擬カゴメ構造という限定的なテーマの中、様々な議論が行われました。まず、六方晶ZrNiAl型の擬カゴメ構造を持つ既知の物質と関連物質についてまとめられ、200種類に及ぶ化合物が紹介されました。物性に関する議論は多岐にわたり、磁気異方性、多段転移を含む相転移、磁気構造、量子臨界現象、結晶場状態、交差相関、多体効果について議論されました。擬カゴメ構造は交差相関に関する系統的な研究が可能であり、今後、領域として物質開発に力を入れていきたいとの声が多く上がりました。
今回、新しい試みとして、学生セッションが設けられ、4名の大学院生が口頭発表を行いました。ポスター発表や休憩時間を通常よりも長めにとったプログラムで、議論が非常に活発に行われたトピカルミーティングでした。